拓殖大学女子バスケットボール部 佐藤森王監督

佐藤森王監督にお話を伺う機会を得た。日本でもっとも注目されている大学女子バスケの監督でしょうね。

ここまでの失点についてお伺いします。リーグ初戦で攻撃的なディフェンスを披露して新しい拓大の姿を見せてくれましたが、その後の白鴎戦では一気に失点が増えました。
佐藤監督 白鴎はメンバーに上手いガードが多いですね。3人ガード出てきたり、4人ガードが出てきたり。それが、みんな上手な子です。私達の、ああいうディフェンスはね、おそらく破られるだろう。ドライブで抜かれてセンターに合わせてくる。ドライブで抜かれても2番目3番目で守れるだろうかと。その白鴎の力を借りてディフェンスがもう一段上手になればいいと思っていたんです。それが2戦目はね、ほんとに勝てて幸運なゲームになりましたよね。あれは負けていたゲームでした。私達が出て行くと、それを待ってたように破ってくる。そういうディフェンスにまだ拓大が対応できてない。もう少し頑張って、センターもオールコートで守ることが出来るように、もうちょっと続けてみようかなと思っていた試合でした。
 抜かれた後の3線がどうかという試合だったと思うんですが。
佐藤監督 全然出来てなかったですね。白鴎の力も出た試合だったけど、私達も覚悟して出て、やっぱりやられた。勝てて幸運でしたね。
 拓大といえども絶対ではないなというゲームでした。今日のゲームで、日女の得点が14・11・16・18点と、後半ベンチメンバーで少し失点が増えましたが、スタートメンバーとベンチメンバーと大きな差はないかなと思います。
佐藤監督 相手のチェンジングディフェンスからの速攻で少し失点が増えましたが、こっちもディフェンスをゾーンにしたりプレスにしたり構えたら、こっちもゆっくりになってしまう。もうちょっと乱戦にしたかったんですが、速く速くとしてミスにつながった。
 今の段階ではフリーランスにしていますが、後半戦の対戦相手はそうもいかないんじゃないでしょうか。
佐藤監督 まさにそうです。セットオフェンスを練習していて、試合では走って勝てれば、それが1番いいと。ただ、相手がこれから強くなると、そんなにブレークが出るわけないし。じゃ、きちっとセットオフェンスの精度が上がっているのか。セットオフェンスで点が取れるのかというところは、毎年、そう思いますね。インカレもベスト4になると速攻で、なんて、一つのクォーターに一回です。ですから、これからの戦いは、チームで練習してきた成果が出せるのか。本当に強いチームになっているのかは、こっからです。
 周りのチームは1敗してしまってますが。
佐藤監督 まだ関係ないですね。これから星のつぶし合いだと思っています。スタートとそれ以外と、まだちょっと差があるので育ってこないと、これからの戦いもインカレも厳しい。
 チームの狙うところは?
佐藤監督 3冠です。ここまでの戦いは外が強いチームでした。ここからはスリー&ツインだったり、今日の筑波のようにスリーポストであったり。しっかり中を固めながら失点を少なくしてくるチームで、優勝するには、どんなチームにも勝てる力を持っていないと達成できない。これからです。内部的には一人でも二人でもスタート以外でバックアップができるようにならないと3冠は達成できません。
 ありがとうございました。

60回目をむかえたリーグ戦、拓殖大学は10年前2部リーグで優勝し、その年昇格。若きエース伊佐樹里を中心に溌剌と1部に登場して10年が経ちました。新興チームという雰囲気は、徐々に薄れて伝統チームの風格を漂わせ始めた。実業団の第1線で活躍している卒業生も増えて、一つのブランドチームになってきたかなと感じています。
トップブランドとなることが出来るでしょうか。日体大の時代は過ぎ、筑波の時代となり、その中で拓大は今年3冠奪取を目指します。
新たな伝説となるか 拓殖大学オレンジラビッツ。